複雑な話を一言で伝える力──「小学生に説明するなら?」の思考整理術【Prompt.009】

prompt.009

日々の仕事や会議、企画づくりの中で、

「なんだか話がどんどん複雑になってきた…」
「うまく伝えたいけど、うまくまとまらない…」

そんな経験はありませんか?

話が複雑化すると、伝える側も聞く側も疲れてしまい、結局「で、どういうこと?」と本質が見えなくなることがよくあります。

そんなときに役立つのが、次のような視点の転換です。

「この内容を、小学生に説明するとしたらどう伝えますか?」

これは、ただ簡単に言い換えるだけのテクニックではありません。
本質を抜き出して言語化するという、ビジネスにも思考整理にも役立つ強力な技術なのです。


目次

【フェーズ1:認知・目的理解 × 技術3:立場転換】


想定される状況

話が複雑になりすぎたとき

話の中身が増えすぎて論点がぼやけているとき、チームや相手にうまく伝わらないと感じるとき、このプロンプトは非常に効果を発揮します。


プロンプト

この内容を、小学生に説明するとしたらどう伝えますか?


期待される結果

本質だけを抜き出して言語化でき、話のシンプルな“核”が見えてくる。


なぜ「小学生に説明する」という発想が効くのか?

この問いの本質は、「立場の転換」と「本質抽出」にあります。

たとえば、ビジネス用語が飛び交う資料や、戦略会議の難しい議論も、小学生にそのまま伝えても理解されるわけがありません。

でも、「小学生にも伝わるように話すにはどうしたらいいか?」と考えた瞬間、言葉を選び直し、内容を構造化し、本当に伝えたい“核”が何かを再確認する必要が出てきます。

つまりこの問いは、「わかりやすく言い換える」ためのものではなく、

自分自身が理解できているかをチェックする問いなのです。


実践例:「小学生に説明するとしたら?」のビジネス応用

1. 会議の議題が迷走してきたとき

たとえば、新規サービスの方向性を議論している場面。

話が「競合」「コスト」「技術要件」などで散らかり始めたら…

「これ、子どもに説明するとしたら?」と問い直してみます。

→「お客さんが困ってることを、どうやって助けるかを考えてるんだよ」
→「お金をかけすぎないように、やり方を工夫してるんだよ」

そうすると、「私たちは誰のために、何をやっているのか」という本質が見えてきます。


2. プレゼンや提案書が複雑になったとき

企画書やプレゼン資料でよくあるのが、言葉がかっこよすぎて中身が薄くなる問題です。

そのときに、自分自身にこう問いかけてみてください。

「この資料、小学生に読ませても意味が伝わるかな?」

もし伝わらないなら、それは単に専門用語のせいではなく、そもそも自分の考えが整理できていない可能性があります。


3. チーム内ですれ違いが起きたとき

複数のメンバーが同じプロジェクトに取り組んでいると、それぞれが違う理解で動き出してしまうことがあります。

そんなとき、リーダーが一度こうまとめてみます:

「このプロジェクトを小学生に説明するとしたら、『〇〇を□□するための計画だよ』って言えるかな?」

言えないなら、まずチーム内の認識を揃える必要があります。


この問いの効果:思考と言語の“芯”が整う

「小学生に説明する」という問いの最大の効用は、次の3つです。

①言葉の抽象度が下がる

 → 難しい言葉を選ばず、実体のある説明になる。

②構造的に考える癖がつく

 → 前提→目的→方法→期待効果の順で伝える意識が生まれる。

③自分の理解度を確認できる

 → 実は一番よくわかっていないのは、自分自身かもしれません。


日常にも使える!「子どもに説明する」という最強のフレーム

このプロンプトは、ビジネスの場面だけでなく、家庭・教育・SNS投稿などさまざまな場所で応用できます。

たとえば:

  • 「なぜ勉強するの?」という子どもの問いに
  • 「どうしてこのルールがあるの?」という社員の疑問に
  • 「なぜその選択をしたのか?」という自問に

このような問いに対して、小学生に伝えるつもりで言語化すれば、抽象ではなく本音と本質が残ります


まとめ:一番伝えるのが難しいのは、「わかったつもり」のこと

話が複雑になったとき、「もっと詳しく説明しよう」としてしまうのが私たちの癖です。
しかし、それは逆効果。

そんなときこそ、引き算の問いを使いましょう。

「この内容を、小学生に説明するとしたらどう伝えますか?」

この問いは、説明力ではなく理解力を育てる問いです。
そして、誰にでも伝わる“伝え方の芯”をつくってくれる、思考の整理術なのです

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