「自分の視野、偏ってない?」──全体構造の中で立ち位置を見直す方法【Prompt.039】

prompt.039

「どうも目の前のことしか考えられていない気がする」
「がんばっているのに、全体としてズレた動きになっているかもしれない……」

そんなときこそ、一度“メタ的な視点”に立ち戻るタイミングです。
問題を解決しようとするほど視野が狭まり、全体構造のどこに自分が立っているか分からなくなる。
この「構造迷子」こそが、思考の停滞の大きな原因になります。


【フェーズ2:分解・課題抽出 × 技術5:言語化と評価】


想定される状況
メタ的な視点に切り替えたいとき

プロンプト
自分は今、この件全体のどの段階に注目していますか?

期待される結果
局所に偏った視点から脱し、全体構造の中での自分の視野を俯瞰できる。


問題は“目の前”じゃなく、“全体のどこ”か?

私たちは問題を解決しようとするとき、つい「今困っていること」にだけ注目してしまいます。
でも、その「今」って、本当に問題の全体から見て重要な地点なのでしょうか?

たとえば、

  • 設計フェーズなのに、運用の細かい話ばかりしてしまっていたり
  • 目的の再定義が必要なのに、KPIの設定に悩んでいたり

こうしたズレはすべて、「自分が今、構造のどの段階にフォーカスしているか?」を自覚していないことから起こります。


「構造のどの段階か?」を意識するだけで、思考が整理される

このプロンプトは、自分自身の思考の立ち位置を言語化するためのものです。
どれほど思考を重ねても、「見ている段階」がズレていれば、どれだけ議論しても成果はかみ合いません。

主なフェーズの例:

  • 目的の確認(なぜやるのか)
  • 課題の抽出(何が問題なのか)
  • 仮説の構築(どうすれば解決できるのか)
  • 設計・準備(どうやって実行するのか)
  • 実装・運用(実際にやる)
  • 評価・改善(うまくいったか検証する)

今自分は、この中のどこにいる?
どこに立って物事を見ている?
この問いが、自分の思考の“偏り”や“ズレ”を自然に修正してくれます。


「全体構造のどの段階に注目しているか?」を自覚するメリット

  1. 過集中を防げる
     目の前の問題に“深く潜りすぎる”と、全体の目的や流れを見失います。
  2. 議論の段階をそろえられる
     会議やディスカッションで「話がかみ合わない」原因の多くは、注目している段階のズレです。
  3. 再設計や軌道修正がしやすくなる
     「いまここで考えるべきことじゃなかった」と気づけば、別のフェーズに戻って立て直せます。

活用例:このプロンプトが効いた場面

【ケース1】プロジェクトが堂々巡りしていたとき

「いろんな意見が出るけど、議論が前に進まない……」
→ それぞれが“目的・手段・成果”など、別の段階を前提に話していた。
→ このプロンプトで「今どの段階を議論しているのか?」を明確化し、思考が一気に前進。

【ケース2】自分の悩みがまとまらないとき

「モヤモヤしてるけど、何に悩んでるのか分からない」
→ 今の思考が“評価段階”にあると気づいた(でも“目的”が曖昧だった)
→ 一度フェーズを戻して目的を再確認したら、悩みの正体がはっきりした。


「反論を設計に活かす」観点での応用

誰かに意見を伝えたときに、こんなふうに反論された経験はありませんか?

  • 「それってまだ早くない?」
  • 「そもそも何を目指してたんだっけ?」
  • 「具体策にしてから話してよ」

これらの反応は、「段階がズレている」ことに対する違和感です。

つまり、自分がどの段階を話しているかを明確にしておけば、
相手の視点とのズレに早く気づき、先手を打って軌道修正できます。


立場を変えずとも、視点は変えられる

このプロンプトの本質は、「見ている段階を言語化すること」です。
やることは変えなくても、“どこを見ているか”を明確にするだけで、思考の質は大きく変わります。

迷ったときは、こう問いかけてください。

「自分は今、この件全体のどの段階に注目しているのか?」

そして、必要であれば段階を上げるか、戻るか、変えてみる。

それだけで、ぐるぐるした思考が整理され、視野がクリアになるはずです。


最後に:「構造の中で自分を俯瞰する」力を持とう

問題解決力とは、「正しい答え」を出す力ではなく、
「いま、どこに立って考えているか?」を把握する力でもあります。

局所で戦っているときこそ、一度メタ視点に立ち戻ってみましょう。
あなたの思考は、構造のどの段階にいるのか。
それを把握するだけで、次に打つ一手が自然と見えてくるのです。

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