その“問題”、本当に解決すべき?──問い直しが本質への入口になる【Prompt.042】

prompt.042

「どうしてもこの課題が気になって仕方ない」
「ずっと取り組んでいるのに、なぜか進展しない」
そんなとき、私たちは“問題の中身”よりも“問題の存在そのもの”を疑うべきかもしれません。

「これは本当に解決すべき問題なのか?」
この問いは、決して意地悪なものではなく、むしろ最も誠実な問いかけです。


【フェーズ3:提起・仮説構築 × 技術1:具体⇄抽象】


想定される状況
問題意識そのものを再検証したいとき

プロンプト
「これは本当に解決すべき問題なのか?」と問われた場合、どのように答えますか?

期待される結果
思い込みや情性で向き合っていた問題に対し、本質的な必要性を見極め直せる。


問題を「信じすぎる」と、思考が止まる

何かを“問題だ”と感じたとき、私たちはそこに自然と焦点を当てます。
しかしその問題が、

  • 本当に影響の大きいものなのか
  • 本質的な価値に関わるものなのか
  • それとも感情的に気になっているだけなのか

を見極めずに進めてしまうと、**「問題のための問題解決」**に陥ってしまいます。


問題意識に“問い返す”ことの意義

このプロンプトは、問題自体の「正当性」を疑うためのものです。
つまり、「その問題を解決する意義はあるのか?」という問いに対して、自分の中で明確な答えを用意する行為。

これは、決してネガティブな否定ではなく、
**思考を深化させ、行動の選択肢を研ぎ澄ませる“再設計”**です。


こんなときに有効です

【ケース1】延々と議論が続いているとき

→ 議論が終わらない理由は、「そもそもそれが本当に重要な問題なのか」が明確でないから。

「今、議論しているこのテーマって、何を達成するためのもの?」と問い直すと、
「それ、別に今の話題じゃなくてもいいかも」という気づきに至ることがあります。


【ケース2】提案書に説得力がないと感じるとき

→ アイデア自体は面白くても、「その問題をなぜ解決したいのか」が伝わらない。

このプロンプトで、提案の背景にある「問題の重要性」を再確認し、納得性の高い理由付けができるようになります。


思考の“不要な熱”を冷ます効果もある

この問いは、思い込みや感情にブレーキをかける働きもあります。
私たちはときに、

  • 「前から気になっていたから」
  • 「上司に言われたから」
  • 「なんとなく気まずいから」

といった理由で、問題と向き合っていることがあります。

でも、それらは**「解くべき問い」ではない可能性もある**。
「本当に解決すべきか?」というシンプルな問いが、そこに鋭く切り込んでくれるのです。


「反論を設計に活かす」視点での活用

もしあなたが何かを提案したとき、こんな反応が返ってきたらどうしますか?

  • 「それって本当に今やるべき?」
  • 「放置していても困ってないよね?」
  • 「誰が本当に困ってるの?」

このときに効果を発揮するのが、今回のプロンプトです。
事前に自分で「この問題の存在意義」を再検証し、言語化しておけば、反論に対して明確に応えることができます。


最後に:問いを疑うことが、問いを強くする

問題は、常に前提条件によって成り立っています。
その前提を疑わないまま進めてしまえば、努力は空回りし、
やがて「何のためにやってるのか分からない」という袋小路に陥ります。

だからこそ、このプロンプトは自分自身へのチェックポイントなのです。

「これは本当に解決すべき問題なのか?」

この問いを通じて、あなたは思考のピントを合わせ直すことができます。
解決すべき問いを、正しく定義できるようになる。
それは問題解決ではなく、“問いの選定力”という一段深い力なのです。

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