問題を“全く違うジャンル”に例えてみると──思考の枠組みがいきなり拡張される【Prompt.044】

prompt.044
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「もう少し別の角度から考えられないかな……」
「いつもの視点では、どうしても打開策が出てこない」
そんなときに、驚くほど効く問いがあります。

それが今回のプロンプト。
問題を“全く異なるジャンル”に例えてみるという方法です。

一見突飛に見えて、実はこれは“本質にたどり着くための最短ルート”でもあるのです。


【フェーズ3:提起・仮説構築 × 技術1:具体⇄抽象】


想定される状況
問題の文脈を転換して捉えたいとき

プロンプト
この出来事を“全く異なるジャンル”の話として語るとしたら、何に例えられますか?

期待される結果
固定された枠組みを外し、斬新な視点や比喩を通じて本質への理解が深まる。


目次

ジャンルを変えると、“意味”が変わる

たとえばあなたが、「部下の報連相が遅い」という課題を抱えていたとしましょう。
これを“ビジネスの問題”としてだけ見ている限り、解決策は「報告ルールの整備」や「意識づけ」など定型的になりがちです。

でも、これをこう言い換えたらどうでしょう?

  • 「この関係は、舞台で主役と裏方が“息を合わせられていない”状態だ」
  • 「これはスポーツで言えば“パスを出す側がゴール位置を見ていない”感じ」
  • 「まるで料理人が“材料が届かない”のにキッチンで待ってるような状態」

このように“ジャンルを変えて例える”ことで、構造が可視化され、問題のニュアンスが広がるのです。


実例:ジャンル変換で解像度が上がった場面

【ケース1】部署間連携のトラブル

もとの定義:「情報共有不足」
→ 会議の増加、チャット導入などの手段が議論されていた

ジャンル変換:
「これは“楽団でパートごとにテンポがズレている”のと同じでは?」
→ 各部署のリズム(業務周期・判断基準)が合っていないことが根本原因と判明
→ 情報ではなく“タイミング”の再設計へ


【ケース2】社内の新制度が定着しない

もとの定義:「導入の説明不足」
→ マニュアル強化やFAQ整備を検討していた

ジャンル変換:
「これはまるで“新しい交通ルールができたけど標識が見づらい交差点”」
→ 使う側の“行動動線”上に制度が見えていない=UI的な問題と再定義
→ 社内ポータルの動線改善で一気に定着


なぜ“異なるジャンル”が効果的なのか?

1. 問題の構造が抽象化される

ジャンルを変えることで「人と人の関係」や「流れ」「タイミング」など、構造レベルで再認識できる。

2. 認知のフレームが一度壊れる

いつもと違う視点で考えることで、「当たり前」と思っていた前提がリセットされる。

3. 感情的・直感的な理解が促進される

比喩や例え話は“頭で理解する”だけでなく“腹に落ちる”から、対話や説明にも効果的。


「反論を設計に活かす」応用ポイント

あなたの提案に対して、こう言われたとき──

  • 「なんかイマイチ共感できない」
  • 「それって現場の実感とズレてるよね」
  • 「それ、分かりづらい」

こんな反応が出たら、“ジャンルを変えて説明する”ことで突破できます。

たとえば、

  • 「これは例えるなら、○○のようなものです」
  • 「今の状況は、□□の構造とよく似ています」

と言うだけで、相手の理解度と納得度が一気に高まる。
これはプレゼンにも、会議にも、企画書にも効く強力な“翻訳スキル”です。


最後に:視点を変えるのではなく、“文脈”を変えよ

思考が停滞しているとき、多くの人は「別の視点で見よう」とします。
でも、視点だけ変えても文脈が同じなら、思考の幅は広がりません

だからこそ、このプロンプトのように──
**「全く異なるジャンルに例える」**ことで、根本的に構造を再解釈する。

その結果として、

  • 新しい仮説が生まれたり
  • 思い込みが外れたり
  • 表現が柔らかくなったり

するのです。


もし、問題がにっちもさっちもいかなくなっているなら。
「これは例えるなら、何の話だろう?」

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