「何が、何に、どう影響したのか?」──因果の流れを1文でつかめる思考フレーム【Prompt.046】

prompt.046
prompt_100_list

「相手が何を言っているのかは分かる。けれど、なぜそんなにこだわるのかが分からない」
「この要求の“根っこ”にあるものって、何なんだろう……?」

そんなとき、思考を一段深くするのがこのプロンプトです。
目の前の主張や行動の背後にある、**「達成したい願望」**を見つけに行く。
それが本質的なゴールの再発見につながります。


【フェーズ3:提起・仮説構築 × 技術2:問いの精度】


想定される状況
願望や欲求の視点から捉え直したいとき

プロンプト
この話には、“何を達成したい”という願望が隠されていますか?

期待される結果
表面的な主張の背後にある動機や目的が明らかになり、本質的なゴールが見えてくる。


表面の言葉ではなく、“裏の願い”を聞きに行く

たとえば──

  • 「もっと定例会議を増やすべき」
    → 単なるスケジュールの話に見えて、実は「自分の状況を理解してほしい」「孤立感を減らしたい」などの願望が隠れているかもしれません。
  • 「このデザインではダメだ」
    → デザインそのものではなく、「もっとユーザーを惹きつけたい」「注目されたい」などの達成したいイメージが強く働いている可能性があります。

願望を読み解くことで“ズレ”が解消する

プロジェクトやチーム内で意見が対立しているとき、よくあるのが「主張レベルではぶつかっているが、願望レベルでは一致している」ケースです。

例:

A「もっと早くリリースしたい」
B「クオリティを妥協したくない」
→ 対立に見えるが、よく聞くと
Aの願望:「市場のタイミングを逃したくない」
Bの願望:「ブランドを損ないたくない」
→ どちらも“成功するサービスを出したい”という願望で一致している

このように、表面の主張ではなく願望のレイヤーで対話をすると、対立が“調整”に変わるのです。


「反論を設計に活かす」ための応用

誰かが自分の意見に反対してきたとき、
その人の主張の奥には「何を達成したいのか?」という願望があります。

その願望に対してこう問いかけることで、議論の温度を変えることができます。

  • 「〇〇さんは、どんな状態が理想だと思っていますか?」
  • 「一番避けたい未来は、どんなことですか?」
  • 「これを通して何を実現したい気持ちがありますか?」

こうした問いを通して相手の願望を引き出し、そこに自分の提案を重ねることで、反論を**“合意形成のヒント”に転換**することができるのです。


願望を問うことで、自分自身の“ゴールの輪郭”も見える

自分自身に対しても、このプロンプトは効果的です。

  • 「なぜこのテーマにこだわっているのか?」
  • 「本当は何を実現したいから、ここで悩んでいるのか?」

そう問い直してみると、「ただ成果を出したい」ではなく
「評価されたい」「成長を実感したい」「不安を消したい」など、より深いレイヤーの願望が見えてきます。


最後に:「何を達成したいのか?」という視点が、すべての問いの起点になる

表面的な意見や主張のやり取りに終始していると、議論は浅く、解決も対処療法になりがちです。
けれど、「この話には、どんな願望が隠れているか?」と問うことで、

  • 話し合いのレイヤーが深まり
  • 解決策が具体化し
  • 人との関係性も温かくなる

そんな変化が起こります。


次に誰かの意見に耳を傾けるとき、あるいは自分が何かに悩んでいるとき──
ぜひこの問いを使ってみてください。

「この話には、何を達成したいという願望が隠れていますか?」

その答えが、あなたを“本当に目指すべきゴール”へ導いてくれます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!