議論が散らかる前に──「この話、ひとことで言うと何?」と問い直す技術【Prompt.048】

prompt.48
prompt_100_list

「話は盛り上がってるけど、何を決めたかったんだっけ?」
「情報はたくさん出たのに、結局どこに焦点を当てるべきか分からない」

そんな場面、経験ありませんか?

複雑なテーマほど、話題や視点があちこちに飛びやすくなります。
だからこそ今すぐ試したいのが、このプロンプトです。


【フェーズ3:提起・仮説構築 × 技術2:問いの精度】


想定される状況
論点を絞り込みたいとき

プロンプト
この内容全体を“一つの問い”に集約するとしたら、何になりますか?

期待される結果
話題の中心軸が明確になり、議論や思考の焦点を定めやすくなる。


「一つの問いにする」とは、論点の再定義である

あらゆる議論や検討は、「問い」の精度に依存しています。
しかし実際の現場では──

  • 多数のテーマが並列に語られる
  • 会話が枝葉に逸れてしまう
  • 判断軸がバラバラになる

ことが珍しくありません。

そこで有効なのが、このプロンプト。
“この話を一つの問いにすると何か?”と再定義することで、全体が一気に整理されるのです。


実例:一つの問いに集約してみると…

【ケース1】プロジェクトの遅れに関する会議

議題の断片:

  • スケジュールの甘さ
  • 外注先との連携不足
  • メンバーのリソース調整

集約した問い:
「このプロジェクトの遅れの“構造的なボトルネック”はどこか?」

→ これにより、「事実」→「原因」→「構造」→「再設計」の議論に集中できた


【ケース2】新サービスの議論が散らかっていたとき

話の流れ:

  • ターゲット層は?
  • UIの方向性は?
  • 今までと何が違う?

集約された問い:
「このサービスは、誰に“どんな変化”をもたらしたいのか?」

→ 視点が“手段”から“目的”に切り替わり、議論が進み始めた


なぜ「問いに集約する」ことが有効なのか?

  1. 全員の視点をそろえられる
     違う観点から話していても、“共通の問い”に収束できる
  2. 時間の使い方が明確になる
     問いが分かれば、「今答えるべきこと」が明らかになる
  3. 資料・メモ・議事録も整理しやすい
     問いを軸にまとめれば、“伝わるアウトプット”になる

自分の考えがまとまらないときにも使える

このプロンプトは、対話や会議だけでなく、自分の思考整理にも非常に有効です。

たとえば──

  • プレゼンの構成が定まらないとき
  • 書きたい記事がバラバラになっているとき
  • 頭の中でモヤモヤしているとき

そんなときにこの問いを自分に投げかけてください。

「この話、ひとことで言うと何を問いかけているのか?」

→ 一気に主軸が見え、アウトラインが浮かび上がります。


「反論を設計に活かす」視点でも重要な問い

反論が多い議論や、意見がかみ合わない対話では、
“前提の問い”がズレていることがよくあります。

たとえば──

  • Aさんは「どう実行するか?」を考えている
  • Bさんは「なぜこれをやるのか?」を問うている

という具合です。

そんなとき、このプロンプトがあると

  • 「この話は、何を問うための会話だったか?」
  • 「いま自分たちが答えようとしている問いは一致しているか?」

という“対話の土台”を確認し直すことができます。


最後に:「問いにする」ことで、思考は深まる

情報を整理することと、問いを立てることは別物です。
本当に大切なのは、「何を問いたいのか?」が明確になること。

問いさえ定まれば、話すことも、書くことも、考えることも、自然と整っていきます。


だからこそ、このプロンプトをあなたの思考のチェックリストに加えてください。

「この内容全体を、一つの問いにするとしたら?」

たった一つの問いが、あなたの思考を深く、鋭く、そして前に進めてくれるはずです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!